傾斜地としての敷地の特徴と長所を最大限に活用し、カリフォルニアの山間リゾートを彷彿とさせる豊かな自然と、熱海の海や梅園の谷を望める眺望を生かした計画のリゾートハウスです。
広い敷地を全面的に使って、敷地内道路と駐車場を設ける案も検討いたしましたが、崖上の公道から高低差10メートル以上もある駐車場と建物設置位置までアクセス道路を設けることは、敷地内の美しい自然を壊してしまう全面的な造成工事が必要なこと、建物からの眺めは造成された道路や駐車場の北側擁壁となってしまうこと、谷底では十分な日照が確保されず、また斜面を下りてくる林間地特有の湿気を受けること、敷地内の雨水の流れが建物へ集まり災害時の危険性が高まること、そして総工事予算の過半をこの造成工事に使ってしまうために建物建設に予算が充分振り向けられない事などから、前面道路と同じレベルで直接アクセス可能な敷地内の一番高い位置に建物を配置しました。工法としては鋼管杭+鉄骨基礎の上に木造2階建てを立てる事により、大規模な造成工事は行わずに、敷地内の美しい自然をそのまま残して家を建てる事が可能となり、大幅な工期の短縮とコストダウンが計れました。
1.建物は熱海の海方向の眺望が敷地内で唯一確保できる最も高い位置に設けました。これにより、日照を確保し、斜面を下りてくる敷地特有の湿気を避けるだけでなく、2階の屋上デッキからは熱海方向の眺望が、そしてリビングや1階のデッキからは眼前に広がる敷地内の自然と、その先に梅園方向の景観を楽しむ事が可能です。
2.敷地の一番奥に設けられた駐車場は敷地前面の公道と同じレベルで、しかも建物の入り口玄関とも同じレベルで、玄関脇に設けられた南向きのゲストルームはバリアフリーで安全にアクセスできます。また、リビングやキッチン、そしてダイニング前の広い屋上ウッドデッキにも駐車場と同じレベルでアクセス可能です。
3.敷地の傾斜に合わせた2段構成のリビング空間は、実質的に3層吹き抜けとなった天井の高い開放的な空間で、オープンタイプのキッチンからは、ダイニングを通してリビングまで、そしてバーベキューパーティーなどもできる屋上のデッキまで見渡すことができます。
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