岩見沢駅は明治15年、手宮(小樽)・幌内(三笠)間の鉄道開通に伴って設けられました。1933年に建て替えられた3代目の駅舎は、その牛舎を連想される特徴あるデザインと共に、約70年の間、岩見沢の町のシンボルとして市民に親しまれてきました。
2000年12月に火事が発生し、この駅舎が焼失したことにより、北海道旅客鉄道株式会社は、岩見沢市の後援を受け、新しい駅舎建物と隣接する駐輪場を含む自由通路昇降棟などのデザインを求める「岩見沢駅舎建築デザインコンペ」を開催しました。
全国から376の応募案が集まりましたが、これは私達の応募案とそのデザイン提案の主旨です。
■シティー・ゲート(街の玄関口)としての駅
・街のスケールに対応した門型のフレームと、明るく開放的なガラスのファサードにより、街に向き合う建物としました。
■集いと交流の場としての駅
・アトリウム空間のセンターホールを中心に施設や店舗が配置され、冬季の間も快適に使用できる公共的空間とします。
■街を眺める展望台としての駅
・改札口や出入口に通じる動線の各所から、駅前広場越しに街の姿を見渡すことが出来ます。また屋上の一部も展望台として開放します。
■町の歴史を継承し、未来につなげる駅
・ガラスのファサードに旧駅舎の姿を刻印し、夜間の照明効果で浮かび上がらせ、歴史的記憶の継承を図ります。
■駅前広場を形成し、中心市街地のエッジを規定する駅
・他の駅前施設と連繋して、賑わいのある広場空間を形成します。
■駅前広場の緑を映し出す森の駅
・「水と緑と文化のプロムナード」の起点となる駅前広場の緑の森を映し出し、視覚的な広がりと奥行感を与えます。
■街を明るくするランタンのような駅
・夕暮れからは、建物全体が広場と街を明るくする照明器具の役割を果たします。
■わかりやすく使いやすい駅
・外部からも人の動きが容易に把握できる単純な建物構成と効果的なサイン計画により、だれもが使いやすい駅とします。
■環境に配慮し、維持管理の負担の少ない駅
・きわめて軟弱な敷地地盤に配慮したシンプルな鉄骨造とし、軽量化とローコスト化を図ります。太陽光を取り入れた蓄熱効果や局所暖房システムにより維持管理費の削減を図ります。
■美しく快適な駅
・永く使われる町の中心施設として、変わらない価値と魅力を持ち続ける美しい駅舎となることを目指します。
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